八十里越(鞍掛峠)

sed2006-09-03

ようやくいい天気になってきたので、新潟・三条市(旧下田村)から福島・只見町へ抜ける八十里越に行ってきた。戊辰戦争時、長岡藩筆頭家老の河井継之助会津への退却路として用いた道で、司馬遼太郎の小説「峠」の舞台である。
金曜日、ムーンライトえちご東三条まででて、吉ヶ平小屋を目指す。2年前の豪雨で三条側の登山口(吉ヶ平山荘)付近の道路が土砂崩れになっており、小屋の2km手前に通行止ゲート*1がある。
吉ヶ平山荘からは登山道。序盤は街道っぽさが残っていて、一部乗車して進めるが、3kmくらいでしっかりした登りが始まる。薮もひどくて虫が多い。途中土砂崩れのために大きく迂回したり、ロープを使って越えるような箇所が多数あり、自転車がなくても非常に苦しい。
中間点・番屋乗越まで4時間。ここから鞍掛峠までの7kmで標高差は100mしかないので楽だろうと踏んでいたのだが、危険箇所が依然として続き、薮がさらひどくなった。途中国道からの登山道との合流点付近で薮が収まり、2km少しの楽しいダウンヒルになったのだが、峠まで残り4km地点から登山道が判別できないくらい下草がひどくなり、先頭交代しながら草を掻き分けてすすむ。それでも正面に見えるのに峠がなかなか近づいてこない。吉ヶ平〜鞍掛峠で6時間と見ていて、テントがなく小さなツェルトしかもっていなくて思いっきりあせったのだが、17時半にようやく鞍掛峠に到着。吉ヶ平小屋から所要9時間半。間違いなく担ぎ上級。
鞍掛峠からは下草もきれいに刈られていて走りやすい。田代平あたりで日没となり、ここから先の木ノ芽峠(八十里峠)に行くのは断念して、破間川沿いの林道*2を下って、浅草岳の登山口付近の山荘に泊まる。
宿で聞いた話では、会津側(鞍掛峠以南)では地元の人が下草を刈っているが、新潟側(鞍掛峠以北)では吉ヶ平小屋の土砂崩れもあって、ここしばらくほとんど整備されていないとのこと。こんなにひどかったら遭難者も結構出るんじゃないですかと聞いたら「そもそもそんなに登る人はいないので遭難者はほとんどいない」とのこと。まあそれはそうかもしれない。

■ コース
東三条 (2:30) 吉ヶ平小屋 (4:00) 番屋乗越 (3:00) 殿様清水
(2:30) 鞍掛峠 (1:00) 田代平 (1:00) 大白川(民宿泊)

*1:「自動車・歩行者通行止」。迂回路無し。突破は自己責任で。自転車でもゲートの監視員に見つかった場合突破できない。工事は朝8時ごろから始まるので突破する場合これよりも前の時間にいく必要がある。なお土砂崩れを迂回する対岸の道路はほぼ完成していて、来年の春には通行止めが解除されるかもしれない。

*2:災害のため歩行者も通行止め。ただ通行に支障のあるような箇所は全くなかった