Number 増刊 藤田敦史

オリンピック特集増刊。さすがに内容は「大急ぎで出しました」感丸出しで、スポーツ新聞に毛が生えたみたいな記事満載なのだが、ナンバーノンフィクション「孤高の人 五輪に嫌われた男・藤田敦史」は秀逸。オリンピック選考がかかった福岡国際マラソンでの転倒、落選、そして母親の死。客先への移動中の電車の中で読んでいて危うく泣きそうになりました。いかんいかん。
あまりにドラマチックに描かれているので、ちょっとどうなのかとおもいましたが、本人はブログの中で「僕の人生を凝縮したような内容」とコメントされてますので看板通りのノンフィクション。円谷幸吉と自分の人生をオーバーラップさせているあたり、とてつもなく危うい橋の上をひたすら疾走している印象さえ受けます。どうしてそこまでして走らなくてはいかんのか。「日本人はマラソンに対して神経質すぎるのではないだろうか…」ゲブレシラシエから藤田へのコメント。それでも藤田は走る。