Coyote No.41 ハワイ島特集

Coyote No.41 特集:史上最悪のハワイ島縦断

Coyote No.41 特集:史上最悪のハワイ島縦断

年始のNHKで、長澤まさみ水川あさみが自転車で走っていたハワイ島。映像がきれいだったので、本屋さんでCoyoteのハワイ島特集を見つけて思わず購入。
カメハメハの王朝の頃に主に開かれたトレイルなどを中心に、山岳地帯の自然や海沿いの遺跡を紹介しています。
冒頭の「楽園の最悪の旅」というのがなかなか激しくて、一人でハワイ島南部からマウナ・ロア、マウナ・ケアと縦断して、島の北部まで歩いたレポート。火山ガスに喉をやられたり、マウナ・ロアでは猛烈な雨が降り、マウナ・ケアの麓では「私有地だから出てけ!」って言われたり。色々大失敗しているけど、ちょっと強引にかっこよくまとめようとしている辺りがアンバランスでなんか笑える。「お前、ほんとにそんなところから来たの?」と言われて他人と仲良くなるとか、いいですね、このおっちゃん。4000m級の山に強烈な偏東風が吹き付けるせいで、狭い島内にたくさんの気候が複雑に入り組んでいて、その様子が強く伝わるレポートだったりします。はい。
ワイ島では、特に西部の海岸線でリゾート開発が著しいらしいけど、そんな中にあっても、かつての王朝の頃に開かれた、純粋に交易用として使われていたトレイルを復興させて、島の文化的なアイデンティティを取り戻そうとする運動を熱心にやっている方々がいるらしい。そんな人々の運動の様子や、そうした運動の結果、海岸沿いに復興されたアラ・カハカイ・トレイルに沿って存在するビューポイントや史跡の紹介などもあります。
独特な宗教感とかは、石垣島あたりに傾向が近いかもしれない。そういう話は初めて知りました。ふむふむ。
ただ、どうも編集がお粗末で、写真と文章がずれていたり、誤植・誤訳と思われる個所がかなりあって、惜しい感じがした。個人的にはもう少ししっかり地図とか気候分布とか島内全トレイルマップとか入れてくれると良かったのにと思ったりしますが、まあでもよくまとまってると思います。ってちょっと上から目線すぎるか。