ラダックの風息

ラダックの風息 空の果てで暮らした日々 (P‐Vine BOOKs)

ラダックの風息 空の果てで暮らした日々 (P‐Vine BOOKs)

ラソン走行レポート書くはずが、中止になっちゃったので。。書評なんぞ。
ラダックは日本ではあまり知られてないですが、インド北部、ジャンムー・カシミール州に属する地方。歴史的経緯からインドの一部になってますが、チベット人の文化圏です。
この本は、著者の山本高樹さんが一年半にわたってラダックに滞在し、地元の人と触れ合った地理・文化のレポート。おととし自分がラダック旅行を考えていた時に、彼が楽しいブログが、ぜひともいってみたいという気持ちにさせてくれたものです。
チベット文化圏の旅行記というと「空気が薄い」「日差しがきつい」で、とかく過酷な旅行記になりがちだけど、文章から伝わってくるのはラダックの人達の笑顔。地元の人たちと触れ合うために、農作業を手伝ったり、祭りに出たり。
一番の見どころは、ラダックの最深部・ザンスカールへの「チャダル」トレック。厳冬期、ザンスカール川が凍る数ヶ月だけ、氷の上を伝ってザンスカールを目指すトレッキング。所々氷が薄いところを慎重に通る必要のある危険な旅だけど、どうしてかしら、ポーターとわいわい楽しみながら最深部を目指す山本さん。チャダルで町の学校を目指す少年との会話とか、彼の人柄がにじみ出ている文章かもしれない。
実際にはラダックは急速に観光地化されていて、欧米人のバカンスの場になっているわけですが、畑仕事をするおじいさんとか、祭りで踊る若者とか、「懐かしい風景」が伝わってくる、こういう旅のうまい人にとても憧れる。羨ましい。
もう少し写真がたくさんあればなあ、と欲張っちゃいますが。
ブログ:Days in Ladakh: ラダック滞在記 http://ymtk.jp/ladakh/