森村泰昌 なにものかへのレクイエム

sed2010-04-03

たまたま時間があったので、以前から電車の中で宣伝しているのを見かけていた個展を見に、恵比寿・東京都写真美術館へ。
マドンナとかモナリザになりきって自分自身の写真を撮る「自分芸術」をNHKで見たのは、確か学生の時だったので、正直「まだいたのか、この人!」という気持ちで行ってきた。写真にはちっとも興味も見識もない。この人そのものに興味があるので行ってきたという感じ。ごめんなさい。
以前は、歴史上の女性になりきってましたが、いつぞやからか方向転換して男性になりきることを目指したのだそうで、森村さんがいろんな男性になった写真が続きます。
「芸術」といえばそう思えなくもないのだけれど、自分のような「素人」にはこれがまた大爆笑の写真のオンパレードで、その写真を「玄人」の方々が真面目そうに見てるもんだから、そのアンバランス加減が余りにも可笑しい。ちょっと耐えられないくらいに。
写真は、三島由紀夫社会党・浅沼委員長から始まって、毛沢東アインシュタイン(いずれも激似)、有名な「ベトナム戦争の路上射殺シーン」と続いていきます。ここはホーチミン?と思って写真をよーくみると、ビルの陰に「そごう」の文字が。もうこの時点で笑いを我慢できません。
あいりん地区でロケしたと思われるレーニンの演説シーンはメイキング映像付きで「電気屋の前で寝てた」というエキストラのおっちゃんも登場。
「ドイツもこいつもドイツ人、おまえのかーちゃんデベソ!」とひたすら下らないネタを繰り返すヒトラーハーケンクロイツが「笑」という字になっている)、なぜか日本茶の店で会見する昭和天皇マッカーサー(1人2役)などなど。
ううむ、これははたして芸術なのか、パロディーなのか、はたまた新しい笑いの表現なのか。メッセージを込めようとしているようで、なんか全く考えていないようにも見えるし、そんなことを考えた時点で策略にはまりこんでるのかもと思ってみたり。
笑いのネタとしても十分楽しめます。それ以上の何かが必要なのかどうか、俺にはどうもわからない。5/9までやってます。