127時間

sed2011-07-02

いろいろサボって時間ができたので「127時間」見に行っていました。新宿武蔵野館アンパンマンが裏番組のせいで、なぜか待合ロビーはほのぼのとした雰囲気なのですが、いや、そういう映画じゃありません。

アメリカ・ユタの峡谷を歩いていたら、落ちてきた岩に腕を挟まれて動けなくなった、という実話に基づく映画。ほぼ見渡す限りの砂漠の中、車をデポしてMTBでアプローチして、途中から歩いて進んでロープで懸垂下降してという場所なので、通りがかりの人に助けてもらうというのは絶望的。なかなか激しいストーリーなのですが、意外に物好きは(少なくとも東京には)結構いて、土曜の昼下がりの映画館は結構席が埋まってました。

映画の中では主人公は「一介のアウトドア店の店員」という説明しかされないのですが、主人公のアーロン・ラルストンはあれやこれや様々の手を尽くし、それが常人の動きっぷりではなくて、なかなか目を見張るものがあるのだけど、映画のメインテーマ(小説の主題もそうらしいけど)は心理描写にウェイトがあって、単に「127時間苦しみました」では終わらない。さすがのグラミーノミネート作品。

適当にしか行き先告げず、好き放題やって事故って「そうそう私は馬鹿でした」というあたりの気持ちから、いやいやそれでいいんだ、まだまだやりたいことはある、絶対に脱出する!と決意に転じるあたりに感情移入できるか、というのが恐らくこの映画の評価を分ける重要なポイントで、「ああそんなバカも世の中にいるのだな」と思うか「素晴らしい、自分もそう強く生きたいものだ!」と思うか、白黒はっきりしそう。

とにかくしんどい。冷房が効いているにもかかわらず、随分汗かいた。何度も歯を食いしばった。途中でスクリーンから顔を隠しちゃったのではないかという人もちらほらいて、ともかく大変な映画。面白いというより「すごい… やばい…」というのが個人的な評価。なんとも複雑なのだが、まあ、期待した通りでよかったか。旅先で死にそうになった人、死にそうになる場面が多そうな人には是非お勧め。

ええとなぜか、wikipediaのAron Ralstonの日本語版がないので作りました。ネタばれ注意。映画を楽しみたい人は我慢してそのまま映画館へどうぞ。逆に映画の後であれば「ああそういうことか」と頷ける点がいくつかあります。変な訳がありましたら、ご指摘いただければ幸い。
Wikipedia アーロン・ラルストン
..と書いて寝ている間に、あっという間にreferenceまで整備されている。恐るべし、wikipediaの世界。