リアディレーラーの雌ねじ復旧

輪行する際にリアディレーラーを外すことが多いのですが、どうもフレーム側のねじを完全になめてしまったようで、先日の輪行で、ディレーラーがはまらなくなってしまいました。
こんな感じ。レーサーの後輪側で、ディレーラーハンガーで交換できないタイプです。まあ良くある形式。

自転車の購入店に確認したのですが、外側に1枚板を取り付けて、その板にディレーラを取り付ける(ただし取り付け位置が外にずれるので変速段数は1段死ぬ)しか方法がないと言われてしまいました。

色々調査した結果、「リコイル」という工具があるらしいということで、手に入れて試してみました。これは元のねじのサイズよりも大きめの穴をあけて、ねじ山に相当する金属を入れ込むことで、もとのサイズのねじを復活できるものです。

購入したのはこれ。リコイル(Recoil)キット M10 x 1.0 (38100) スパークプラグ補修用
ららぽーと横浜近くにあるバイク(オートバイ)ショップ「ストレート横浜店」で購入(¥8,520)

バイクの補修用に使われるものらしいです。このサイズがちょうどRDのネジ部と適合します。東急ハンズにも置いてないのですが、バイク屋には「リコイルキット」で通じます。ただM10x1.0というサイズの補修工具はかなり特殊で、なかなか売ってません。随分探しました…。

まず、リコイルを挿入するための雌ねじを、付属のタップで作ります。このタップをタップハンドル(ハンズで購入。M10-13用)に取りつけ。

このタップは「パイロットタップ」と言われる特殊なもので、タップが2段階のサイズで大きくなっています。まず小さいサイズのタップで、元のサイズよりも若干大きなサイズのねじを切り、ここから少しずつサイズを広げていきます。通常のタップは、まずドリルを使って穴を開ける必要があるのですが、その必要がありません。自分のような素人でも比較的簡単。

タップ立てが完了したら、次はリコイルの挿入。付属の挿入工具の先端にリコイルを取り付け。(でもややサイズが大きいのでニッパーで半分くらい切断)

これをネジ穴部分にねじ込みます。意外にするする入っていく。いい感じ。

最後にリコイルの飛び出た部分を折って完了。施工後の雌ねじは、元のねじよりも強化されるようです。ありがたい。取りつけ後の状況。

というわけでうまくはまりました。

意外に簡単にできるのですが、工具がやや高価なこと、失敗したら即死亡ということでリスクが高いというのが難点。

バイク関係者にも相談しましたが、取りつけ穴を金属で一旦全部埋めてからドリルで穴開けて、タップを立て直すのはどうかと言われました。そっちの方が正しいやり方かもしれない。というわけで本件の相談にはバイク屋さんが大分頼りになります。随分勉強になりました。

以上、自己責任でどうぞ。