その国のこと。

旅の後「どうしてそんな国に行くのか?」という趣旨の質問をいくつかいただきましたのでフォロー。

一昔前までは、広場でみんな自転車を漕いでいると思われていたけれど、最近では富豪が高級車を乗り回し、不動産を買いあさるという金権イメージが強いその国。

どうなんでしょうね。

十億以上の人が住み、何十という民族が暮らし、たくさんの言語や独自の文字を持ち、宗教がないと言われているのに、アザーンを聞いて寝起きしたり、五体投地で道路を前進する人達がいて、いまだに未踏峰といわれる山が数多くあり、国境を少し超えれば「新発見の言語」が現れたりするそんな国。

一見のっぺりしたイメージの強いその国は、ひたすらいろんなものをブチ込んだごった煮スープのようなもので、複雑怪奇な表情をもっていたりします。まじで。

イスラム風の民族建築を案内してくれたあの少女も、バター茶を親しげに薦めてくれたあの僧も、その国の人。

バスからペットボトルを平気で捨てたり、場所構わずタンをまき散らしたり、島がいるいらんということで石を投げたり、デパートの窓ガラスを割ったりするのもその国の人。

彼らのやることが、ひとつひとつ、いいことなのか悪いことなのかは別に何も言うつもりはないけれど、そういうことをやる人達が、その国の人すべてじゃないことは確かなこと。すべての人が似た考えを持っているかもしれないけど、全員まったく同じ考え方をしているわけじゃないはず。

彼らを一面的にみるより、そういう彼らの違いに注目してあげた方が、お互いハッピーな気がするし、得るものも大きいと思う。本来それだけ違いの大きな国。それが面白くて何度もいってしまった。それだけのこと。なのに「のっぺりした」イメージだけが強いのは何となく残念。

別に他の人に強要するつもりは、ひとつもないけどね。でもちょっと言ってみたかった。
それだけ。ごめんなさい。