ダージリン〜ペリン(4/30〜5/1)

2012西ベンガル〜シッキム 目次
■ 4/30 → レグシップ(Legship)

いよいよシッキム入り。シッキム入境にはパーミットが必要。シリグリかダージリンで平日にパーミットがもらえるのですが、スケジュールの都合上、土曜にシリグリに着いてしまったので、月曜の午前を使ってダージリンでパーミットを取ります。
ダージリンでのパーミットの取り方は若干ややこしくて、まずダージリン市街にある外国人登録のオフィスで申込用紙を書き、一旦承認を得たあとで、街の北西外れにある Office of District Magistrate でパーミットを貰います。写真がその場所。
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事前に調べた話では、パスポートの写真部分のコピーが3枚必要で、発行に一時間半くらいかかるってな話だったのだけど、実際コピーは不要、発行も5分でやってくれた。この手続きもかなり形式的になりつつあるっぽい(というか、かなり投げやりな感じの対応だった…)。ちょっと入るだけなら、パーミットなしってことにしてくれたら、色々楽ちんなんだけど。

ダージリンから真北方向には、Google Maps でも道が描いてないのですが、North Pointと呼ばれるダージリン北外れのポイントから下り坂があり、ジョレタン(Jorethang)方向に抜けられる。この分岐、すごいわかりにくくて行きすぎてしまった。でも行きすぎた場所が非常に茶畑のきれいなところ。観光コースにもなってました。
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あわてて North Point まで戻ってジョレタンまでの下りに突入。
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この下り坂の勾配が半端なくて、一部18〜20%相当の下りがあります。マジですごい。特に標高1000m以下の道の荒れ具合がひどい。この道、登りに使うのは無理だろうね。景色もものすごい。
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下り坂で分岐が現れる度に、地元の方に声を掛けてみる。「ナマスカール! ジョレタン、カハン・チャ(どっち)?」
さすがにこんな道に現れるチャリもいないのか、一瞬「んなあほな!」という顔をされるのだけれども、大抵の場合ものすごい親切に案内してくれて、あっちだこっちだと指示してくれる。途中「真っ直ぐいくと道ガタガタだけど、真っ直ぐがお薦め」と言ってくれた彼らは、MTBの楽しみのなんたるかを知っていたに違いない。ナイス。

茶畑が斜面にへばりつくように広がっていて、ダージリン市街地よりも素朴な農村の雰囲気があり、なるほどダージリンのブランドを支えている感じがします。写真に写りこんでいるのはジョレタンに向かっているジープ。下りの最中ずっと追いかけっこしてました。
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標高2000mのダージリンから、350mのジョレタンに降りてくる。気温も一気に高くなる。食堂で焼飯を頂く。その食堂とマスターさんと自転車と。娘さんが日本のホテルで働いているとの話だった。「6月にも日本に娘に会いに行くんだ!」といってたのは、ほんとの話だったのだろうか。メールアドレスだけでも聞いとけばよかった。
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川沿いはひたすら発電目的のダム工事の連続。道路もボッコボコですが、この辺りの産業を支えているみたいです。ここに限らずシッキムの川沿いはどこもダムなどの工事が凄くて観光地という感覚からは離れたものがあります。
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シッキムの人達は、こういう川沿いにすめばいい感じがするのに、実際には山の高い所を選んで住んでる傾向があります。川沿いは地形があまりに険しいので切り立った渓谷になりがちで耕作地も確保しにくいし、水も引き回しにくそう。むしろ山の高い所の方が土地を確保でき農業しやすく日当たりもいいから、みんな高い所を選んで住むんだと思う。理由はそれだけじゃないんだろうけど。雲南の山中と何となく似てる感じがした。

この日の宿泊地・レグシップ(Legship)ここで翌日の登坂に備えます。Pelling, Tashidingといった西シッキム観光の入り口ですが、大抵の車はここを通り越してしまいます。なのでホテル以外、特になんにもない。ホテルの対応も何となく面倒臭そうな感じ。
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■ 5/1 → ペリン(Pelling)

翌日、宿の外でジープ待ちしてたチャリダーアメリカ人お二人。
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pelling, yuksamとまわって、Tashiding から降りてきたとのこと。お、まさしく同じコースを行こうとしてるのだけれど。
「pelling までチャリでどのくらいかかった?」
ジープに乗ったわ。あなたもそうした方がいいわよ。」
「え… マジで…」
そんなわけで、今日もLegshipでジープ待ちしているという話。ははぁ、そうでしたか…。この辺りをチャリで旅する人達は、大体こんな感じでジープ移動してるっぽい。でもそしたらなんでチャリ持ってきたの?ってなりそうなので、Pelling まで漕いでみます。この辺はどっちが正解って訳じゃなく世界観の問題でしょう。たぶん。

じゃあ、がっつり食べとかないとね、というわけで宿の人が出してくれたのが「ベシ」という謎料理。汁だくの焼そば。B級グルメっぽいが意外とうまい。他の土地で出してくれと聞いたみたが、「ベシ」を知る人にはこれっきり会えなかった。
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勾配がすごいといっても7〜8%程度。Legsip の街が段々小さくなる。途中の街・ゲイジン(Gayzing)。ここでようやく1500m。チャリ大人気です。小銭がなくて途中で水さえ買えず泣きそうになってたが、ここには銀行もあって、慌てて両替した。食べる所もお店もたくさん。客待ちジープもたくさんいて圧巻です。
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ここからいくつか見所が出てくる。写真は、かつてのシッキム王朝のあったRabdentse遺跡。地味だけど雰囲気を感じさせるところ。
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すでにここで標高2000m。もう本当に山の上。なんでこんな山奥にシッキムの統治者がいたの? と日本人的な感覚でいくと首をかしげたくなる。地図だけではなかなかわからないけど、この辺りは標高が高いだけあって、周囲のほとんどの集落からこの辺が見えるので、威厳を誇るのに最適だったのだろうと思う。チャリでこの辺りをぐるっとまわったけど、ペリンやペマヤンツェの辺りはいつも視界に入ってました。
まあでも周囲より標高の高い所が他と比べて一段と賑やかなのもちょっと異様な感じがしなくもない。チベット仏教の栄えるところ、色々差はあれど、常に何かしらストイックな土地ばかり。

Rabdentseの近くにあるのが、チベット仏教ニンマ派の寺院で、シッキムでは最古のゴンパの1つ、ペマヤンツェ・ゴンパ(Pemayangtse)。ゴンパの中は3階建てになってて、階段で登れるようになってました。たしかにすごい。
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ようやくペリン(Pelling)に到着。完全に峠で発展した街でここからのカンチェンジュンガの眺望は抜群です。
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翌日の朝、ヘリパッドから撮ったカンチェンジュンガの山並み。素晴らしいね。
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