飯田 〜 易老岳 〜 光岳 〜 寸又川左岸林道 〜 千頭

sed2006-10-09

長野・静岡県境にある光岳(てかりだけ)は、アプローチがやたらに長い百名山で、北側(飯田市側)から入ると日帰りも可能だが、南部に抜けてしまうと36kmに渡る車両通行止の長大な林道(寸又川左岸林道)があり、縦走が困難である。そこを「チャリがあれば林道も一瞬だよね」とかいう安直な発想で北から南に抜けてみた。松と2人。所要3日(担ぎ1日)

□ 10/7 飯田 〜 易老渡(いろうど)
飯田駅前から、南東にある矢筈トンネルの旧道・赤石峠(1195m)を越える。登山前日のアプローチで500mアップ。飯田市街近辺の道路は、複数の道路が奇妙に入り組んでひどく分かりにくい。
R152からは遠山川沿いに走る林道があるのでその道を走ってみた。地形図では途中から点線になっていて、実際に加加良沢から発電所前までの4kmが廃道化していた。落石・倒木多数あり、突破に1時間半。こんな道でも踏み跡があるのがすごい。

□ 10/8 易老渡 〜 光岳 〜 光岳登山口(南側)
易老渡を朝5:30に出発し、ひたすらチャリ担ぎ。登山口から最初のピーク易老岳まで標高差1500mを、淡々と同じ勾配で登る。
一部狭くて担ぎにくい箇所もあるが基本的にきれいに整備されていて登りやすい。標高差1700mを登り切る体力が必要。担ぎ中級〜上級。他の入山者も真面目でタフな人が多い。意外と光岳まで日帰りで行く人が多かった。軽装備なら往復12〜3時間で行けるし百名山制覇目的の人はそれが一番いいのかもしれない。
易老岳からの尾根を過ぎて枯れた沢を登り詰めて、13:00にはイザルヶ岳、13:30に光岳に到着。いやーよくがんばったねー、とか他の登山者に写真とられたりする。いや、お恥ずかしい。
一般に光岳からの眺望は評判があまり良くないが、展望所に出れば視界も開けて結構いいと思う。ただ他の山と比べると劣るのでしょう。あんまし行ったことがないんで分からないので、こんな景色でも大喜び。

頂上に意外と早く着いてしまい、「時間もあるし下ってしまおうか」ということで、14:00寸又川方面に下降開始。さすがに登り8時間でバテていて意識朦朧としながら下る。こういう無茶なことをするのはよくない。よくないと思いながらも下る。そんなんばっか…。
光岳から百俣沢ノ頭までは倒木・浮石多数でほとんど乗れず。百俣沢ノ頭から約4kmで一瞬乗車率が70〜80%に急上昇する(但しその体力があればの話)それ以降は登山口まで全く乗れず。
基本的に勾配がきついので、普通に下るのが精一杯。特に登山口直前の3〜4kmは途中で道が分岐するポイントが多く、迷いやすい(道標のテープも見失いやすい)ので非常に危ない。

□ 10/9 登山口 〜 寸又川左岸林道 〜 千頭(せんず)
早朝、登山口で朝ごはんを食べて、寸又川沿いに千頭を目指す。登山口から8kmほど(栃沢から2km上流)は全く整備がされておらず落石多数。これはほとんど廃道。土砂崩れもそのままになっていて、担ぎが必要なポイントが4ヶ所ほど。中には滑り落ちると谷底まで落ちるようなポイントがあり、担ぎ慣れていないとちょっと怖い。他の登山者によってかなり踏まれているのが救い。
栃沢からはブルドーザーで道が整地されており比較的走りやすい。栃沢、大根沢、小根沢と沢を渡るたびに100m前後のアップダウンを15kmに渡って繰り返しながら、登山口よりも100m近く標高を稼いで「お立台」へ到着。お立台から寸又峡温泉のゲートまでは長い下りが緩やかに続く。
この林道、「寸又川左岸」といいながら水面まで標高差が200m以上あり、山深い景色が豪快。路面は一部を除いてきれいに整備されているので走りやすく、最高にいい林道なんだが、如何せんアプローチが長いので、わざわざこの林道のためだけに来るのには遠すぎる。登山をするのでもなかったら特に何があるわけでもないし。なんか残念。

※ 2008/08/11 注
ここ最近で寸又川左岸林道の状況はますます悪くなり、大変危険な状況となっているようです。同林道を利用される方は、最新の情報を入手した上で入山することをお勧めします。

■ コース(カッコ内は所要時間)
【10/7】
飯田駅前 (2:00) 赤石峠 (0:20) 上村役場前 (0:20) R152遠山川分岐
(1:00) 遠山川沿いの林道(廃道)開始 (1:30) 発電所 (1:00) 易老渡
【10/8】
易老渡 (4:00) 易老岳 (3:00) イザルヶ岳 (0:30) 光岳
(1:30) 百俣沢ノ頭 (2:00) 芝沢吊橋(光岳登山口)
【10/9】
芝沢吊橋付近 (1:30) 栃沢 (2:30) お立ち台・ヘリポート
(1:00) 寸又峡温泉ゲート (1:00) 千頭駅